スケールとアルペジオ
基礎練習といえば「スケールとアルペジオ」を思い浮かべる方も少なくないと思います。
「基礎」と言っても幅が広く奥が深いため、明確に「基礎とは〇〇」と断定できないのですが、
「スケールとアルペジオ」は多くのプロの演奏家も取り入れており、
ピアノを弾くにあたって流暢で説得力があり、音楽的な演奏に必要不可欠な要素です。
具体的な方法
私は練習する前に時間があれば全調、時間があまりない時は抜粋でほぼ毎日練習するのですが、
その重要性を今になってもつくづく感じます。
特に朝一に練習すると、その日のコンディションが分かるため、修正をしたり、あるいはもう少し違う角度から練習してみよう!など、
その日の状態を確認することもできます。
ある程度の速いテンポで綺麗に粒を揃えて弾くことも大切なのですが、それに至るまで辛抱が必要です。
私は、超スローモーションで片手ずつゆっくり、指や手首、角度、腕の使い方、身体全体の使い方を意識しながら、
1〜2オクターヴだけじっくり見直しています。
この練習方法はとても効果があるので、毎日欠かしません。
実際に生徒さんたちにやり方を伝えながら見せると、「え?これを全調ですか!?」とよく聞かれるのですが、
最初から全部やる必要はないと思っています。
途中で嫌になって諦めるより、少しずつで良いので何ヶ月、何年、何十年と続けることの方が大切です。
スケールやアルペジオの練習は、機械的な演奏をもたらす、と一喝している文献を読んだことがあるのですが、
シュナーベルはこう言っています。
たとえ200回繰り返しても、その度に音楽的な意味を込めていれば、機械的な演奏に陥るわけがない。
教材
スケールとアルペジオの教材は様々ありますので、ご自分のレベルに合う、好きな教材で構いません。
おそらく代表的なものは『ハノン』の39番と41番だと思います。
慣れるまで大変なのですが、必ずその積み重ねが糧になる時がきます。
試験などで課題になっていると必死でやるものですが、そうでなくても普段のレッスンや練習で、
長時間でなくてもよいので、集中して取り組むことで上達のスピードが変わってきます。
子供向けの教材では、「こどものハノン」という教材もありますし、バスティンの教材もあります。
ご自分に合う教材を選んで、練習を始めてみてください。
耳で聴くこと
また、同時に「耳」を使うことは、とても大切です。
どんな練習でもそうですが、耳を使わないと何も始まりません。
「基礎練」といっても音楽を表現するために行うことですので、自分が出している音を聴くことは必要不可欠です。
「何となく」を続けないで、一音一音を確実に聴くこと、また音と音の繋がりや関係性を聴くことも重要です。
どんな練習でも耳を開いて、集中し、全神経を研ぎ澄まして練習しましょう!
最後に巨匠たちの名言を。
「スケールは決して無味乾燥なものであってはいけない。
もしスケールに興味を持てないのなら、興味を持てるようになるまで取り組みなさい。」
(アントン・ルービンシュタイン)「スケールの練習は、必要以上に必要なもの、つまり不可欠なものである。」
(ヨーゼフ・ホフマン)「どれほど上手なピアニストになれるかと尋ねるのですか?
それなら、あなたがどれだけスケールを練習しているかを聞かせてください。」
(ツェルニー)

