35年に渡り検証され、J.S.バッハの新曲発見される
昨年、2025年11月18日に、35年掛けて検証されてきたオルガン作品の2曲が、正式にJ.S.バッハの作品であると確認され、
正式発表されたことに驚いた方も少なくないと思います。
バロック音楽やバッハをこよなく愛する方々にとってはもちろん、
クラシック音楽に携わる人にとって、これほど心躍る出来事はなかったのではないでしょうか。
昨日の3月21日のバッハのお誕生日の日に、この作品のことを思い出しblogにしようと思いました!
新曲を発見したピーター・ウォルニー氏
35年前、当時ハーバード大学の大学院生であったPeter Wollny ピーター・ウォルニー氏は、
1992年に埃まみれのベルギー王立図書館(ブリュッセル)で興味深い楽譜を2枚偶然見つけました。
その当時は楽譜の筆跡にただただ魅了され、これらの紙片がいつか興味深いものになるかもしれないという漠然とした感覚があったそうです。
ピーター・ウォルニー氏はコピーを作成し、30年間持ち歩き、人生の半分をこの検証と研究に費やしています。
バロック時代の偉大な作曲家たちの生涯と音楽の研究に生涯を捧げてきたにもかかわらず、
ピーター・ウォルニー氏はこの作品がJ.S.バッハ本人によるものだと公表する勇気は、
約2〜3年前までなかったと述べています。
今回の楽譜の経緯や研究について詳しく述べている素晴らしい記事がありますので、
ご興味がある方は目を通してみて下さい。

発見された2曲
発見された曲は18歳の頃の若い頃の作品で、アルンシュタットでオルガン奏者として活躍していた時期で、
バッハがアルンシュタットのオルガン奏者としてキャリアをスタートした頃の、非常に若い頃の作品です。
若き日のバッハとは納得のいく演奏環境を求めて上司と衝突したり、
北ドイツの名手ブクステフーデの演奏を聴くために、休暇を大幅に超過して400キロの道のりを歩いて旅したり…。
自分の道を切り開こうと、情熱的に動きはじめた時期です。
この作品の初演はトーマス教会で行われ、初演演奏を務めたのは、恩師のトン・コープマン先生でした。
コープマン先生はインタビューで、こう答えています。
「若い頃のバッハやモーツァルトを思い浮かべると、
天才は人生の後半に現れるものだとよく考えられがちだが、そうではない」
作品発表と恩師の演奏が重なり、私にとって非常に嬉しいニュースで、
何度も初演コンサートを動画で観ています。
正式に作品名と作品番号も公表されました。
新たに認定されたバッハ作品
①
作品名:シャコンヌ ニ短調 (英語:Chaconne in D minor)
BWV番号:BWV 1178
②
作品名:シャコンヌ ト短調 (英語:Chaconne in G minor)
BWV番号:BWV 1179

YouTubeで聴く新曲
昨年に発表された初演の感動的な演奏は、YouTubeで鑑賞することができます。
1曲目の演奏は5:00頃〜、解説が入り、2曲目の演奏はその後になります。
楽譜のリンク
また、バッハ・アルヒーフ・ライプツィヒ公式ウェブサイトより、楽譜もご覧いただけますので、リンクを貼ります。
まとめ
以前、ブラームスの小品が新たに発見され、アンドラーシュ・シフによって初演されたことがありました。
そのときも、「まだこの時代に新しい作品と出会えるのだ」と驚きと喜びを感じたのをよく覚えています。
J.S.バッハのように、既に全ての曲が知られていると思われていたにも関わらず、新たな作品が現れるとは、想像もしていないことでした!
以前、イタリアのチェンバロの先生と「もしかしたら、どこかにまだ名作が眠っていて、私たちが生きているうちに発見されるかもしれないね」
と、冗談のように話していたことがあります。
まさか、こんなセンセーショナルなことが生きているうちに味わえるとは!
いつかバッハゆかりの地、ライプツィヒのトーマス教会で、宗教曲やオルガンを聴いてみたいという夢が膨らみます。
