レッスンをしながら感じること
日本に完全に帰国して、2年半が経ちます。
多くの生徒さんとの出会いがあり、お陰様で毎日音楽を通じて、充実した時間を過ごさせて頂いています。
レッスンをしていると誰一人、同じ人はいないですし、皆が個性を持っていて長所短所も様々。
限られた時間内で学んで欲しいことを伝える為に、レッスン中は頭をフル回転しています。
興味深いのは、レッスンが始まって最初の出だしを聴くと、
直ぐに生徒の心理状況とか、悩みがあるのかな?とか、今日は前向きで良い音だな、等々、
ストレートに感情が伝わってくるのは音楽の凄みだと思います!
音は感情がそのままダイレクトに伝わるので、嘘がなく、出だしを聴いた時にどういうレッスンをしようか、
今日のメニューみたいなものが頭に出来上がってきます。
時々レッスンをしながら思い出すのは、イタリアの恩師の言葉。
『先生というのはピアノを教えるだけではなく、
時には生徒の悩みを聞いてあげることの方が多くなることもある。
医者の様な役割もしないといけない』
レッスンをしていると、ピアノ以前に何か抱えているものがあるのかな?と考える様になりました。
以前の私はそこを察しないで、出来ていない所をどうやって練習したら克服できるのか、
時間内に少しでも進歩してもらいたくて、伝えたいことはその日に出来る限りアドバイスすることを優先していました。
しかし、あまりやる気が起きないとか、練習してこないとか、無気力みたいな場合、
ピアノを弾く以前に何か悩みを抱えていることもあるので、最近はお話を聞く時間も作る様になりました。
以前、イタリアの恩師が言っていたのはこれだ!と、最近良く思い出します。
自分の個性と感性を信じること
振り返ると、私も学生の頃は先生に悩みを聞いて頂いて、1時間のレッスンがお喋りで終わることもありました。
レッスン後に先生に連れられて、喫茶店で何時間もお話を聞いて頂いたことは何度もありました。
今思うと本当に頭上がらないほど良くして頂き、感謝しても仕切れないのですが、
先生とお話していると知らないうちに元気になって、やる気を取り戻したことが何度もあります!
音楽をしていると将来が不安になったり、表現方法で行き詰まったり、本番で思うように弾けなかったり、コンクールで失敗したり…
色々あります。
先日、下を向いてお部屋に入ってきた生徒とお話をしていると、自分の抱えているものを少しだけ打ち明けてくれて、
残りの時間に弾いてくれた音、顔の表情も変化し、少し安堵したことがありました。
悩みは音楽だけでなく、プライベートでも様々あると思います。
でも、辛く悲しい思いをしたり、人が気がつかない部分まで気が回る繊細な部分を持っていたり、
優しい感情を持っているからこそ音楽の表現の幅が広がり、聴いてる人に共感してもらえる豊かな音楽になることもあると思うので、
自分で思っている弱みは、本当は強みでもあったりします!
一人ひとりが自分の豊かな個性を信じて、音楽を追求する素晴らしさを心から感じ、音楽と共に人間的にも成長する過程を楽しんでもらいたいですし、
私自身もそうありたいなと思っています。