リサイタルを拝聴しました!
バロック界に光を当て続ける巨匠であり、恩師であるトン・コープマン先生の来日。
以前はイタリアやヨーロッパ各地のコンサートを駆け巡って拝聴し、
チェンバロの個人レッスンを受けたり、
コンサート終演後にレストランで乾杯をしながら音楽談義や将来のご相談に乗って頂いたり、、、
今考えると本当に贅沢な時間を頂いていたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
今となってはヨーロッパが少し遠く感じてしまいますが、幸せなことに年に一度来日されているので、
先生の音楽から果てしないエネルギーと学びを頂いています。
今回はチェンバロとオルガンのリサイタル!
半年前から心待ちにしていた東京と高崎のコンサートを堪能しました!
11月9日(土)のすみだトリフォニー大ホールでのリサイタルはチェンバロとオルガンの両方を拝聴できる貴重な機会でした。
前半と後半のコントラストを楽しみ、特にオルガンは多彩な響きが空から舞い降りて来る様で、
ヨーロッパの教会に描かれているフレスコ画や、独特な香り、残響の記憶が蘇ってきました。
アンコールは、
・J.S.バッハ:主イエス・キリストよ、我に呼ばわれる BWV.639
・D.スカルラッティ:ソナタ ト長調 K.328
・D.ブクステフーデ:フーガ ハ長調
80歳になられたコープマン先生。
終演後に舞台裏でサプライズパーティーに同席させていただき、お祝いをしました!!
鈴木雅明先生もご一緒させていただき、
バロック界の大レジェンドのお二人と写真も撮って頂きました!(最高のご褒美です!)
高崎のリサイタル
高崎芸術劇場の音楽ホールでのリサイタルは11月16日(土)に開催。
本当は広島も神戸のリサイタルにもお伺いしたかったのですが、今回はレッスンがあり断念しました。
それでも2回も素晴らしい演奏を堪能することができて感無量です!
高崎ではチェンバロ・オンリーのプログラム。
こちらのホールも満席で、小さめのホールでしたが音響が素晴らしく、チェンバロにはぴったりの会場でした。
東京のリサイタルでは大ホールで聴き取れなかった繊細で細やかなニュアンス、アーティキュレーションがこちらでは全て聴こえ、
即興的なアイディアと、内から溢れるパワフルな表現にど肝を抜かれ、圧巻な演奏に終始釘付け…
本日もアンコールを3曲演奏 ♪
・J.S.バッハ:フランス組曲第5番よりサラバンド
・D.ブクステフーデ:フーガ BuxWV174
・フレスコバルディ:ベルガマスカ
J.S.バッハの『フランス組曲第5番』から”サラバンド”は、何度も先生のライブ演奏を拝聴していますし、
私もこの曲を細かくレッスンして頂いたのですが、毎回違う演奏とフレッシュな解釈に驚きます。
出だしから「また違う…」といつも打ちのめされる、そこで生まれたかの様な即興的な演奏。
一瞬一瞬、記憶に留めておこう!と思いながらも音楽は時間と共に過ぎていくのが儚く、
私の頭では全然追いつかない衝撃を今回も受け、帰りの電車でも余韻に浸って呆然。。。
終演後
終演後にはコープマン先生とお話をする時間を頂き、コンサートの感想はさておき雑談となってしまいましたが、
教えるという仕事について頂いた言葉からふと、先生から頂いた限りない学びを、
ご縁を頂いた生徒さんたちに、出し惜しみなく伝えていこうと改めて心に刻む瞬間がありました。
超多忙な先生からレッスンして頂いたり、何気ない時にお話して下さったアドバイスはどれもプロフェッショナルなものばかりで、
これから未来に羽ばたいていく若き生徒さんたちにとって、必ず心の力になるはずです。
私は日本に帰国してから良くも悪くも、”日本人らしく…”の様なスイッチをオンにしてレッスンすることがあり、
どうしてもヨーロッパで必要とされる本質的なものが、二の次になってしまう違和感を自分の内で感じることがあります。
でも、先生のリサイタルを聴いているうちに一流、本物を伝えることを怠ってはいけないし、
私が留学生の時にしていた努力を続けないといかないと、人に教えられないと改めて感じました。
また来年、コープマン先生が来日されるまで日々精進していきたいと思います!
あと今年も1ヶ月半。
体調を崩さずに、最後まで走り切りましょう〜 ♪
*先生のご自宅で演奏されているJ.S.バッハのサラバンド(フランス組曲第5番より)