ヨーロッパで一番古い音楽は?
世界最古の音楽に続いて、ヨーロッパで最も古い音楽について書いてみたいと思います!
現時点で楽譜が確認されているのは、『セイキロスの墓碑銘』(Seikilos Epitaph)です。
時代は紀元前1〜2世紀まで遡り、短い詩と共にメロディーが石碑に刻まれています。
歌詞には「生きている間に楽しめ」というメッセージ!
今の時代にも通じる歌詞で、その頃から同じことを考えていたのが興味深いです。
この曲は19世紀にトルコで発見され、今はデンマークのコペンハーゲン国立博物館に所蔵されているそう!
早速、2000年前の音楽はどんな曲なんだろう?とYouTubeで検索して聴いてみると、
なんと美しい響きに癒される気持ちになりました!
是非、聴いていただきたいです♪
歌詞
ギリシャ語原文
Ὅσον ζῇς φαίνου
μηδὲν ὅλως σὺ λυποῦ·
πρὸς ὀλίγον ἐστὶ τὸ ζῆν,
τὸ τέλος ὁ χρόνος ἀπαιτεῖ.
ラテン文字表記
Hóson zêis, phaínou,
mēdèn hólos sỳ lypoû·
pròs olígon estì tò zên,
tò télos ho chrónos apaiteî.
日本語訳
生きている間は輝け、
決して悲しみに沈むな。
人生はほんのひととき、
そして時はすべてを奪い去る。
正に「人生の儚さ」や「今を楽しみことの大切さ」を伝えるメッセージで、
私たちが生きる今もなお通じる普遍的なテーマを持っていることに驚かされます。
なぜ重要なのか?
断片的には他にも古い音楽は残っているそうなのですが、
完全な形で歌詞とメロディが残っているのは、「セイキロスの墓碑銘」となります。
この曲から、古代ギリシャの音楽がどのようなものだったのか、知る手掛かりになるのも面白いですね。
そして、のちにローマ音楽やグレゴリオ聖歌、西洋のクラシック音楽へ影響を与え、
メロディやリズムの特徴は、後の音楽の基礎となりました。
また「今を生きよ(Carpe Diem)」の精神は、文学や哲学にも影響を与えました。
古代ギリシャは当時、音楽や哲学、数学、演劇など、あらゆる分野で先進国!
2000年前にギリシャ人がすでに記譜法を使い、音楽を理論的に分析したり、記録していることにも驚嘆です。
ギリシャは一度だけ訪れたことがあるのですが、巨大な遺跡を目にして圧倒されたり、博物館でも様々な展示があり、
歴史好きにはたまらない印象を持ちました。
機会がありましたら、デルフィやアテネの国立考古博物館は面白い発見があると思います!
また日本でも美術館や博物館で重要な展覧会も常に開催されていますので、
ぜひ、私も生徒さんたちから感想を聞きたいです♪