【横山緑 ピアノアカデミー】 池袋|恵比寿|目黒不動前|西ヶ原のピアノ教室 Website

チョ・ソンジンのリサイタル

Blog

チョ・ソンジンのコンサートを拝聴 !

一度ライブで演奏を聴きたいと懇願していたソンジンのコンサートを拝聴してきました!

オール・ラヴェルのコンサートは人生初で、数ヶ月前から楽しみにしていました。
しかもチョ・ソンジンの演奏!!!
同じ人間とは思えない次元の高さに興奮冷めず、
2日経った今も余韻が身体に響いています。

【オール・ラヴェル・プログラム】
グロテスクなセレナード
古風なメヌエット
ソナチネ

夜のガスパール
高雅で感傷的なワルツ
クープランの墓

どこまでも繊細で、一音一音逃さない拘りの中にも自然な流動性があり、
思慮深く、時には爆発的な激しい強さが現れても音が全く割れない。
音楽に品が合ってエレガント。
今まで聴いたことのない美しいグリッサンドには、
ビックリしすぎて、思わず吹き出しそうになりました。

トランクを引きずって韓国から聴きにいらした熱狂的ファンも多くいました!

今年に入ってイム・ユンチャンに続きチョ・ソンジンという、
韓国のピアニストを立て続けに聴くことができ、
そのレベルの高さに驚愕です。
韓国のピアノ界は熱く、ヨーロッパの先生方も、
「コンクールは韓国人が全部賞を総なめしていく」と言うほど。

少し前までは中国の勢いが半端なく、近寄りがたい熱気を感じていましたが、
数年前より韓国にその波が来て、今も続いています。
また中国の時とは少し違う、もっとヨーロッパの伝統を重んじリスペクトした、
伝統的な解釈を持ちつつ、国民性がポジティブに表出される印象です。

韓国の音楽事情に興味があり、韓国の文化省の友人からお話を聞いていたところ、
兵役が20歳以降、約2年間義務付けられているため、

指定されたコンクールに1位または2位に受賞しなければ兵役が免れないため、
競争が激しく、必死に練習をしているそうです。

また10年以上前に才能を育成する英才教育の学校を政府が立ち上げ、
厳しい審査を通過した才能ある子供たちはそこで学ぶわけですが、
先生方も非常に熱心で、10年前より今を見据えて育成してきたそうです。

兵役を免れるために必死になっている男性陣を真横で見ている女性も、
負けずと努力するので上手くなるし、精神的にも強くなると聞きました。

クラシック音楽だけではなく、アイドルも同じく。
小さい頃からクラシックバレエ、ポップダンス、ジャズダンス、
ボーカルトレーニング、演劇など毎日お稽古に明け暮れ、
ハングリー精神が半端ないそうです。

でも、チョ・ソンジンの様々なインタビューを読んでいると
そこまで練習をされていない様で、
あの超絶と安定感はどこから来るのか謎です。

↓ チョ・ソンジンのショパン国際コンクール1位の時の名演。
1800万回再生されています。

 

聴くこと

多くのピアノを学ぶ人はどうやったら上手くなるだろう、とか考えると思うのですが、
まずは自分の『耳」だと思います。
私の大学時代の恩師は、「贅沢な耳を持ちなさいね!」と何度も仰っていました。
その耳は普段の練習で自分の音をよく聴くことでも鍛えられますが、
何よりも、『何度も足を運んで人の演奏を聴く』ことから始まると思っています。

恩師は毒舌ではっきり仰ることがいつもその通りで、
思わず頷いていた頃を思い出します。

「自分の耳なんて、たかが知れているのよ!
音楽は「音」あって成り立つものなんだから、
自分で弾きながら音を聴き分けられないなんて、成長が終わるわよね?
とにかく聴きに行くこと!それも下手な演奏ではなく、良い演奏をたくさん聴く!聴きまくる!!
そしてそこで感動したものを、自分でも求め続けること。」

何度も言われた言葉で、恩師とは月に1〜2回、コンサートをご一緒にしていました。
帰りは必ずカフェやレストランに入って、その演奏の感想を語り合ってから帰宅。
私にとって大きく成長した時期でした!

また恩師とコンサートに行きたいという夢は叶いませんが、
頂いた言葉が今も糧となっています。

話は外れてしまいましたが、ライブを聴くことは本当に大切です!!
素晴らしいコンサートが日本ではたくさん開催されていますので、
「感動する」という体験を是非たくさんして下さい♪