イタリアのアパート探し
イタリアの写真を見返していたところ、イタリア生活では珍道生活と言いますか、
日本では考えられない様な毎日が繰り広げられていて、
たまには音楽から離れたお話も気分転換にと思い、
この土日は私が経験したイタリアのアパート探しのお話をしてみようと思います。
イタリアのアパート探し ミラノ編
大学時代から夢を描いていたイタリアの音楽留学!!
イモラ国際ピアノアカデミーとダブルスクールを計画していた当初、
ビザの関係でミラノのヴェルディ国立音楽院に先ず入学をしようと思っていた時期がありました。
ミラノには知り合いがいないので、留学する前に日本人に向けた物件情報のサイトを見つけ、
そこで連絡を取った方が所有しているアパートに決めて渡伊しました。
サイトと言っても簡単なもので、今の様にネットが普及してない頃です。
日本人だから安心!と完全に信じていた私にも隙があったのかもしれないのですが、
アパートに着いてみると、私が入るということで慌てて内装工事を進めている途中。
壁は塗装段階でペンキの異臭が半端なく、床はブルーシートが敷かれており、
洗面所やキッチンは、水は出るけれどお湯が出ない…
木屑や埃で空気も悪く、到着した途端にハウスダストのアレルギー持ちの私は、
全身痒くて目が充血、咳も止まらない…..
半泣き状態でフィレンツェに住む友人に電話しました。
「フィレンツェにおいでよー。家に泊まって良いよ〜」
天使としか思えない友人の一言で、
次の日にはフィレンツェへ引越しする!と、即決しました。
1日という超短期なミラノ生活を終え、その流れで、
ミラノの音楽院の入試を受けることも止めてしまいました。
旅行で訪れた時のミラノの印象が、
実際に住むという感覚になった時に全く違う印象に映り、
「東京と変わらないビジネスの街で、ビルを見ながら音楽を勉強したくないな…..」
と、その時に初めて思った違和感。
到着早々のアパート事件、そして折角大変な思いをして準備した音楽院の入試の書類も全部無駄に。
大家さんは、あと2ヶ月で完璧に住める場所になる!と言い張りましたが、
もう完全に嫌やになってしまった私の心はフィレンツェ一色で、
疲れるやり取りを終え、すぐにフィレンツェへ直行しました。
この話、当時の私には心がズタズタで、フィンレンツェに着いて友人達に話すと、
イタリアの洗礼を早速受けたね!
これからの生活、こんなもんじゃないよ!
強くなろう!これから!!
と笑われ、あまり相手にしてもらえず、みんなちょっと冷たいんじゃない〜?と思っていた自分が、
今になると本当に甘くて恥ずかしいです。
なぜなら、、、その先のイタリア生活は、こんなもんじゃありませんでした。苦笑
何より、こんな状態でミラノの受験も止めてしまった私を国際電話で応援してくれた両親に、頭が下がります。
フィレンツェで人生初のシェアハウス!
天使の友人が受け入れてくれたアパートは、
ちょうどシェアしていた一人が2日前に引越をしたところで、
その一部屋が空いていました!
普通に住めるって幸せだ!お湯が出るシャワーもあるし、友達もいる!
全く分からないイタリアのスーパーや滞在許可証申請の手続きなど諸々、
全部友人がアドバイスをしてくれました。
友人は私がイタリア留学する4ヶ月前に慌てて通ったイタリア語学学校のクラスメイトであり、
声楽家であり、大学の先輩でもあり、私より2ヶ月先にイタリア留学した親友です。
ミラノからフィレンツェに移ると決めた直感(と言えばカッコ良い)、
あの時の判断は大正解だったと、今でも思います。
フィレンツェには、あの日から18年住み、私にとって母国的な街となりました。
さて、このシェアハウス。私にとって最高の時を過ごしたアパートだったのですが、
大家さんが売りに出すということで、結局、2ヶ月半で終えることになりました。
その後、シェアしていたもう2人も部屋探しに明け暮れます。
新たにフィレンツェのアパート探し
私は、フィレンツェ郊外にグランドピアノ付きの部屋が空くという情報をネットで見て、
こんな条件が揃っている場所はないと思って即決しました。
そこには日本人の声楽をしている方が住んでいて、
実際その女性とやり取りもしていたので、安心感もありました。
(その声楽家の方とは、今は戦友であり、親友です!)
探している時はビザの手続きで日本に帰国中だった為、
ミラノの洗礼を受けていたにも関わらず、お部屋を見ずにまた決めてしまったのです。
そしてフィレンツェ郊外のアパートに到着。
郊外というのが想像していた以上に遠く、中心街からバスで1時間。
これ位であれば通えると思い、夜遅くに入居したわけですが、
翌朝、明るくなってからカーテンを思いっきり開けて気づいた光景。
目の前が見渡す限り広大な、墓地だったのです。。。
アパートの前はバス停も目の前にあり、すごく便利ですが、
その停留所の名は『墓地2』…
思わず、私の前に住んでいた友人に電話をし、
「何もなく過ごせた…?? 怖くなかった?」と聞いてしまいました。
友人は「全然!寧ろ快適だった!!」
「何でこのアパートを手放そうと思ったの?」
「彼氏と別れたから心機一転!!」
友人とは真逆のメンタルを持つ私は、朝からカーテンを閉めっぱなしの生活。
そんな毎日が嫌やになり、再度アパート探しをすることに決めます。
イタリア語は分からない、音楽留学なのに練習も集中できない、家も決まらない。
本当に毎日情けなくなりましたが、この時に救いだったことは、
絶対について勉強したいと思っていたフィウッツィ教授のオーディションに通過し、
弟子として取って頂いたことが励みとなりました。
また先生も同情して下さったことが心強かったです。
「そんな田舎のお化け屋敷から早く去りなさい!!僕だって無理だよ!」
と仰って頂き、たくさんのアドバイスと共に、先生まで空き物件を知り合いに聞いて下さいました。
ということで、再度フィレンツェのアパート探し開始です!
続く。