練習&レッスンノートについて
皆さん、こんにちは。
今日は練習ノートについて書いてみたいと思います🗒️
ノートはお教室や人によって様々で、プロの演奏家やピアノの先生方とも楽しい話題になるテーマです。
私の場合は、先生の注意を楽譜に直接書き込む事が多かったのですが、
ある時、先生のレッスンで、勉強している曲だけではなく、様々な曲に応用できる名言が散りばめられていて、
それ以降、レッスン後にノートに書き留めるようになりました。
本棚に入り切らずに処分してしまったノートもあるのですが、大部分は今も開いて読むことがあります。
練習&レッスンノートのススメ
私の生徒さんは全員がノートを書いているわけではないのですが、
復習する際に楽譜を広げて「何だっけ??」とならない様に、ノートや楽譜に書き込むことをアドバイスする事があります。
また調べることが好きな生徒さんは、作曲家や練習している曲について自由研究の様にまとめて下さる方もいて、私の楽しみでもあります。
曲のイメージを素敵な色彩で描いて送ってくれた生徒さんもいらして、
奏でる音色と絵のイメージがピッタリ、そしてお話をしてくれた物語の感性に驚きました!
また、書くことが大好きな小学6年生の生徒さんが、練習している曲を写譜されて、驚いたことがあります!
写譜すると、作曲家の意図や構成が明確になり発見もたくさんあります。
私は今となっては年齢と共に暗譜が不安になり、どうしても心配な時は写譜をします。
特に楽譜を閉じて、見ないで書くのは本当に難しい!!!
その時に、「一体、作曲家の頭の中はどうなっているんだろう?」と偉大さを目の当たりにします。
特にバッハの曲の写譜はお手上げ状態。
そして如何に自分が日頃、楽譜をよく見ていないか思い知らされます。
毎日でなくても良いので、ピアノの譜面台のところにノートやメモ用紙を置き、
練習しながら、ふと降りてきたアイディアや、気がついたことを書き留めておくと、
いつか、そのノートは一生の宝物になります。
私の場合… 何冊かあるうちの一冊は、長年、先生の名言とアドバイスを書き留めていて、
今でも書き足すノートがあります。
恩師の一語一句を欠かさず書いてあるノートは、自分のためにも、そしてレッスンの時にも活用していて宝物。
イタリア留学時代にも持ち歩いていたので表紙はボロボロで、フィレンツェの老舗の本の修復屋さんに持って行ったことがあります!
その職人さんは「修復しない、このままの状態が美しいから、僕が手を入れない方が良いと思うよ。」と仰って、
何だかその言葉が温かく、職人さんの手を加えずに大切に使っています。
中身の紙は黄ばんでしまいヨレヨレですが、このノートを失ったら立ち直れないくらい宝物で、イタリアの往路は必ず手荷物扱いでした。
亡くなられた恩師の言葉もたくさん記していて、読むと同時に、声がそのまま耳に焼き付いています。
今の時代は携帯のメモ機能や、iPencilでノートを書く方もいらっしゃるかもしれません。
それぞれに必ずベストな方法があると思いますので、
自分にとって、いちばん心地良い方法が見つかると良いなと思っています♪
岡潔さんの研究ノート
尊敬する数学者であり、理学博士であり、教育者でもある岡潔さん。
学者でありながら、一般向けの本を多く残した方でもあるのですが、その著作がとても面白いです!
膨大な研究ノートを生前書かれていたことが『春宵十話』に記されているので、
引用してみたいと思います。
一日にノートを三ページ平均書いているので二年間に二千ページとなるが、
これを二十ページの論文にするのだから、まとめられたものは百分の一である。
私には真似できないくらいの勉強量に圧倒されてしまいましたが、
この本を読んだ時期に、ちょうどバッハの楽曲分析をしていて、
あまりにも難解で挫けそうになっていた時に、背中を押された気持ちになりました。
そして手を動かすことは大切な作業だと実体験で感じました。
最後に追記したいのは譜読みの時。イタリアの先生に、
「指使いは分からなくなると特に、本番前は危険だから、譜読みの時に必ず書き込みなさい」
とアドバイスを頂き、それ以降、譜読みをしながら指遣いを書き込んでいます。
そこで気づいたのは、全部読み終わった頃には何となく弾けて暗譜もできている(完全ではないです)、という事が多く、
「書きながら、考えて、弾く」という作業は、効率的だと気付かされました。
億劫だな〜と思う方も、一度試してみて下さい♪
頭が整理されて、その方が早く目標に辿り着くことがあるかもしれません☺️
注)まだ指使いを自分で選択するのが難しい方は、間違った指使いを書いて練習してしまうと、
それはそれで別の問題が発生してしまいますので、分からない時は師事されている先生に聞いて下さい。