マムシ指、1の指の改善法(補足)
昨日はマムシ指に関する練習方法など書いてみました。
今日は1の指のマムシ指について、補足でお話してみようと思います。
手を広げてみると分かりますが、1の指は他の指と比べて骨格や作りが異なります。
その為、マムシ指を改善する為に輪ゴムの掛け方が少々違うため、補足させていただきます。
輪ゴムの掛け方
まず親指の第2関節付近(PIP関節)に輪ゴムを掛けます(若干、下記の写真の様にずらす)
片手で輪ゴムを持ち、親指を左右にゆっくり動かします。
そして上下にも動かします。その時に、親指の付け根(MP関節)から動かすイメージをして下さい。
そして「ゆっくり」がポイント。速いのが良いわけではありません。
動かしている時に、第2関節がきちんとしたフォームで動いている意識を自分で感じながら、
ゆっくり脳に働きかけ、指の感覚を研ぎ澄まして行いましょう。
決して、肩や腕、肘、手首など無駄な場所に力を入れないことを心掛けます。
力を使って無理やり動かすのではなく、指が独立して動く感覚です。
その際、子供さんには柔らかいゴムを使用して下さい。
特殊な硬いゴムを使いますと、余計な負荷を掛けすぎてしまい、腕を痛めやすいです。
もう一つの輪ゴムの掛け方は親指と小指に掛ける方法です。
そこから1の親指を少しずつ外側に動かすことを繰り返し行います。
鉛筆やボールペンで練習
鉛筆やボールペンを立てて、その上に1の指の第2関節が引っかかるように乗せます。
鉛筆やボールペンがその場所にない場合、片方の親指や人差し指で、第2関節を外側に押すことを繰り返します。
この方法は肩や上腕に力が入りやすいので気をつけましょう。
余談で、私は第2関節が凹まないように自分の身体に言い聞かせながら
「外に、外に」と思いながら必死になって押していたことがあります。
ピアノを始めたのがとても遅く13歳の頃だったので、人より遅れているどころか、
果てしない山を登らないといけず必死で、
隙間時間や学校の休憩時間、お風呂の中、お手洗い、お食事の時、眠りにつくまで、
ありとあらゆる時間を使ってひたすら片方の手で押していました。
それが私にとっては効果覿面で、3日で親指のマムシが治り、突然弾きやすくなったことが嬉しく、
練習も楽しくなったことを覚えています。
この、がむしゃらな方法が全員に合てはまるかは分かりませんが、
自ら意識をし続けると身体と脳がきちんと反応してくれるものだと、体感した経験があります。
特に1の指がマムシ指ですと、オクターヴが上手く弾けない為、早めの対処をしたいところです。
テーブルや家具などの角を使う
ご自宅にある家具などの角を使って、練習することも可能です。
基本は前項の鉛筆やボールペンを使う練習を変わらないのですが、
隙間時間でありとあらゆる場所を利用してみましょう。
片方の手で固定しながら、実際に鍵盤で音を出してみる
第2関節の部分を片方の手でフォローしてあげながら、
実際にゆっくり音を出してみましょう。
速く弾こうと思わないいことが大切です。
ゆっくり、ゆっくり上下に動かしながら音を出してみてください。
はじめは手首に力が入りがちになってしまいますが、慣れてくると逆にマムシ指で弾くことに違和感を感じるようになります。
まとめ
他にも改善方法はあるのですが、すぐに実践できて、試しやすいものをご紹介させていただきました。
マムシ指の問題は発達などの段階で個人差もあり、単純な問題ではなく改善に根気と辛抱が伴いますが、
実際マムシ指のまま長時間練習しても、ピアノの技術がなかなか向上しません。
また第1関節が凹んだままリズム練習などをしても、前腕など余計な箇所に力が入り、
別の悪癖が付きやすくなってしまったり、腱を痛めてしまうこともあります。
しかし若い時は弾きづらくても勢いに任せて弾こうとしてしまいますので、
気力である程度まで弾ける様になっても、仕上げ時に「音が響かない」「ホールで音が後部席まで通らない」「弾きにくい」
「細かい音の粒が揃わない」「疲れる」という問題が付き纏います。
マムシ指の改善はピアノを演奏する上で基本になります。
しかし、欧米の方の骨の作りは違うようで、マムシ指を見掛けることが少ないのです。
見た目も骨の作りがしっかりしていて、少し反り返っていても関節を上手くコントロールしているピアニストもいます。
日本人の骨は柔軟性がある分、弱い面もあると専門の方が仰っていたのを聞いたことがあります。
子供さんにとっては退屈な練習になってしまいがちですが、親御さんがゲーム感覚で楽しくできる様に工夫してあげることで、
毎日続けられることが出来るかと思います。
私の生徒さんで、毎日スコアを付けてマス目を塗りつぶすゲームをしていたお子様がいました。
全部塗りつぶすとご褒美があったそうです!
また「ここは!」と、利用できそうな家のあちこちにお母様がシールを貼り、
そこで指のトレーニングをしたらシールを剥がし、
大好きなシールノートに貼れるという遊びをしながら頑張っている生徒さんもおりました。
マムシ指が改善されますと、同時に技術も向上していきますので、
弾くことがより一層楽しくなり、練習も充実する印象がございます。
どうぞ楽しく出来る工夫をしながら、続けてみて下さいね ♪
◊ 説明が分かりづらい箇所もあるかと思いますので、質問などありましたら、お気軽にコンタクトよりお問い合わせ下さい◊