ハノンと音階練習
ピアノを習っていると誰もが通るハノンの道。
私もハノンを練習し始めた当初、リズム練習やアクセント、スタッカートの練習をひたすらしていた記憶があります。
何も理解しないまま練習していた当時、退屈な練習にあまり意味を持たずに弾いていたのですが、
実はバロックや古典派のアーティキュレーションを付け、様々なバリエーションで練習したり、
ロマン派の様な息の長いレガートを意識し、移調して練習することで様々なテクニックを習得することができるのです🎵
特に音階とアルペジオは本当に大事!
イタリアの街中で素敵なピアノの音色が聴こえてきたので、耳を澄ましてしばらく聴いていた音階。
なんとポリーニのお家だったことが分かり、これまで聴いたこともない華麗で流れるような音階に惚れ込んでしまいました☺️
そして私の恩師であるトン・コープマン先生がコンサートの練習でベルガモの教会にいらっしゃるというので、
その時間にこっそり立ち寄ってみたところ、パイプオルガンで美しい音階を弾かれていて感激したものです。
天井のフレスコ画から、まるで天使が舞い降りてくる様な響きで感動でした!
興奮が抑えきれず親友に電話し、「コープマン先生がオルガンで音階を弾いていたの!やっぱり基礎だよ!」と話しが止まらず、
しばらく基礎練の話で盛り上がったこともありました。
偉人こそ基本をいつも大切にしている…自分の眼と耳で目の当たりにし、私も基礎練を疎かにしないと肝に銘じた日々。
時々、優先順位で後回しにしてしまうこともあるのですが、少々サボってしまうと自分が一番分かるので、反省してハノン含む基礎練に必ず戻ってきます。
ずっと愛用していた全音出版のハノンはボロボロになってしまい、イタリア留学中に急遽、
フィレンツェの楽器店で慌てて購入した楽譜を今も使っています。
私の生徒さん達も退屈な基礎練を頑張ってくれているのですが、どうしても先に進みたくなってしまいがちなので、
「これは合格というのはなく、一生繰り返すものなんだよ〜」と伝えています。
一緒に一歩一歩、進んでいこう💪